「緑地環境学」第10回2006年11月28日 23:57

 今日は「緑地環境学」の第10回目の講義。テーマは「日本と世界の森林問題」。90分の講義1回で全部やってしまおうと言うのはやや無謀か。。。
    本日の講義の要点

  • 現在の世界の森林面積は約39.5億haと推計されており、特に熱帯多雨林と北方林に集中する。
  • 南米やアフリカでは森林面積の減少が続き、世界で700万ha以上もの森林面積が毎年消失して行っている。
  • アジアでは森林面積が増加に転じているが、中国では「封山緑化」や「退耕還林」のスローガンの下、緑化が進められている。
  • FAOの統計での「森林面積」は、「閉鎖林」と「疎林」の合計面積であることに注意が必要。
  • 熱帯多雨林の減少要因としては、商業伐採、農地開発(商品作物・焼畑・プランテーション・牧場化・人工林化)、燃料採取、山火事などが考えられるが、人口増のような社会的要因と熱帯多雨林ならではの土壌侵食のような自然的要因とが合わさって森林の消失・劣化を加速させる。
  • ロシア極東地域の北方林の面積の減少は大きくはないが、壮齢林が伐採されて若齢林化が進んでいる。
  • 熱帯林は植物体中に、北方林は林床の永久凍土などの土壌中に多くの炭素を蓄積しており、これらの森林が伐採されると、温室効果ガスが大気中に放出されて地球温暖化を加速させる。
  • 地球温暖化防止に向けた気候変動枠組条約京都議定書およびその運用ルールであるマラケシュ合意では、国内外での新規の植林に伴う温室効果ガス吸収量を排出権から差し引く仕組みがある。
  • 日本の国土面積の3分の2を森林が占め、そのうちの4割が人工林となっている。
  • 人工林では、苗木の植付から、下刈、つる切、枝打ち、除伐、間伐といった保育作業を経て、主伐が行われるが、近年は主伐の延期がされたり、充分な保育作業が行なわれていない人工林が増えている。
  • 日本の木材需要は増えているが、昭和40年代から輸入材が増える一方で国産材の供給が減り、木材自給率は20%程度まで落ち込んでいる。
  • 日本林業の衰退の理由のひとつとしては、安い輸入材との価格競争で木材価格が下がる一方で、伐出のための人件費は上がっており、伐採しても利益が出ないことがある。
  • 森林に関心の薄い不在村地主の増加も人工林の手入れ不足の一因である。
  • 森の健康診断は、一般市民が森林ボランティアの案内で山に入り、科学的かつ簡便な手法で森林の込み具合や植物の調査を行ない、研究者がその結果を解析して、効果的な森林管理のための提言につなげていくという試みであり、2005年に矢作川流域から始まった。

 昨夜はまたしても徹夜となり、眠たい。受講生もよくお眠りのようでしたが。。。
 夜は研究室ゼミの後、研究室内で卒研生と鍋パーティー。